Liner Note

情報(ユーザー中心デザイン・ユーザビリティ)と技術(ウェブプログラミング・ウェブサービス)についてのメモ書き

要約:トラックバックはまず読者のためにあるものではないでしょうか。トラックバック通知情報に言及内容を含めて、受信側がそれに応じてトラックバック元を分けていくことで、読者にとっても有益なトラックバック欄になっていくのではないかと思います

トラックバックという仕組みってどうなのよという話がされているようです。

トラックバックはなぜ流行らなかったのかという記事では、(1) ブログを書く人というのが、思ったほど、他人のブログを読まなかったというのと (2) スパムがすごく、みんなトラバが面倒になったという2つを原因に挙げています。

前者は、どちらが多いのかというのはさておき、私も含めタケルンバ氏のように「読むよ」派もいるということですので、いったん横に置いておくとして、問題は後者。

スパムというのは何かということですが、私は言及リンクや言及がないトラックバックは読者には価値がないので、全て「スパム」と位置づけて削除しています(トラックバック受信ポリシーについて)

言及無しトラックバック問題についてはGoogle先生に頼むといろいろ出てきますので、ご参照ください。

先に挙げた理由のように、単に運営者としてそれらを削除するのが面倒くさいというのは確かにありますけど、もし言及有りリンクで(読者にとって)有益なリンク先がスパムのそれを上回るくらいあるのなら、別に苦でも何でもありません。

ただ、現状は圧倒的に「スパム」が多い状況で、少なくとも私にとってはトラックバックという仕組み自体が機能していないように思うんですね。

トラックバックは読者のために

で、そうなってしまったのはなぜなのか。

これは思うに、人によって「トラックバックは誰のためにあるのか」という認識が違うからだと思うんですね。

ことのはさんがトラックバックをめぐる文化圏を4つに分類してその衝突を整理して見せたように、各人によってトラックバックに求めるものは違ってきます。相互リンク報告のような挨拶目的で使えばいいじゃないかと言う人もいるし、自サイトのアクセスアップに使うという人もいます。これらは自分、もしくは言及先の相手のためにトラックバックがあるのだという意識ではないかと思います。このように、人によってトラックバックの認識が違うために、スパム的トラックバックの認識も違ってきているのだと思います。

ここで私の立場をハッキリしておくと、私はトラックバックは書き手のためにあるというのもそれはそれであるとは思いますが、それ以上にそれが公開場所にある限りはまずトラックバックは読者のためにあるべきと思います(言及無しリンクを「スパム」にしているのはそういう理由からです)。それが書き手にとって価値があったとしても、読者が価値がないのなら少なくとも公開場所に置いておく意味はない*1 ですよね。書き手のためにあるのだとすれば、管理画面からのみ見られるようにすればよいわけで(できれば他サイトのトラックバック欄もそうあってほしいですが、無理に押しつける気はありません)

トラックバックは現状98%ぐらいスパムなのが実情という声もあって、実際の所、私のサイトでもアクセスアップのみを目的にしたようなエントリやdel.icio.usのブックマークエントリのような読者にとっては(しばしば書き手にとっても)「スパム」でしかないトラックバックも結構いただきます。記事に対する感想を丁寧にブログに書いてくださる方もいらっしゃるんですが、そういう方に限ってトラックバックをいただけないことがあります。現状はどうしてもそのような使われ方が主になってしまうのかなと思っています。

言及量を知らせる

では、この仕組みを機能させるためにはどうすればいいのでしょうか。

まず、トラックバックが読者のためにあるのだとすれば、言及無しトラックバック(言及リンク無しではなく)を受け付けないように設定できる必要があると思います(そのように設定すべきということではなく)。現状、WordPressではデフォルトの状態で言及なしトラックバックを機械的に受け付けないように設定することはできません。

その上でですが、まず書いたことに対する反応の形式も多様化しています。従来のようにブログにエントリを立てて長めに言及することもあれば、TwitterやTumblrのようにミニブログ的に一言だけ言及するようなケースも増えてきたかと思います。

例えば、現状ではあるエントリにトラックバックを数十個ついていたとして、読者がとりあえず1-2個ほど長文の反応リンクを読みたいとしても、それを判断する材料はありません*2 。また、読者によっては長文を読むのは疲れるけど、とりあえず短い反応を2-3個読んでおきたいというニーズがあるかもしれません。

ですので、それらの違ったタイプの言及先を分類する必要があるのではないでしょうか。よって、そうした反応のタイプ(ちょっとした言及なのか長めの言及なのか)をトラックバック先に知らせる機能があると良いかなと思います。

私がこのシステムを実際に実装するとしたら、まず現状のトラックバックの通知情報に加えて、言及している部分(言及内容)を全て通知してもらうようにします。現状でもトラックバックには、excerpt という要約部分がありますが、これに加えて全言及内容を知らせるdescriptionという項目を付け加えればよいでしょう。

被言及先は、まず言及部分がない(0バイト)トラックバックを拒否します(もちろん、読者のため(だけ)ではないと思う人もいるかと思うので拒否しないように設定することも出来なければなりません)。次に、その言及内容の文字数に応じて言及タイプを分類します。一言言及、そこそこの量の言及、長文言及といったように。

実装見本例
言及量別トラックバック実装例

問題は、スパムブログが実態と離れた言及部分・言及量を通知してくることですが、これはなかなか難しい話です。とりあえず、本文内容と同様のものしか言及部分に含まれていない部分を拒否するというくらいでしょうか。

  1. それを公開場所に置いておくことで、アクセスアップがインセンティブとなって反応を集めやすくなるという作用はあるでしょうけど、それはS/N比を小さくすることでしかないような[戻る]
  2. お決まりのブログの書き手という判断材料はあるかも知れませんが、それも人に依存するものです[戻る]
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読者のコメント

  1. お名前

    三宅

    投稿日時
    2008年06月08日
    23時ごろ
    Comment No
    #1

    次の URI で言及しました。なお、公開は2008年6月9日午前7時の予定です。宜しくお願いします。

    http://ryus.s21.xrea.com/w/item/1074

  2. お名前

    幸之介

    投稿日時
    2008年06月10日
    0時ごろ
    Comment No
    #2

    せっかく拡張するなら、量という切り口だけではもったいない気が。または、複雑化を避けるべくひとつだけ拡張するにしても、量ではない気が。

    「賛同しているサイト」「反論しているサイト」
    「話を深めているサイト」「話を広げているサイト」

    とか?

    ご提案のdescriptionもまたあれば便利だと思いますが、さらに「言及の主旨」みたいな項目があるといいのかな。

    うーむ複雑ですね。それでトラックバックの敷居が高くなることは、品質を高めてくれるいっぽうで、気軽さが失われるほうが問題の予感。

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