Liner Note

情報(ユーザー中心デザイン・ユーザビリティ)と技術(ウェブプログラミング・ウェブサービス)についてのメモ書き

要約:東京は経済的・人口的に豊かな都市なので、これからも安泰だろうという説にちょっと違和感があったのでレスしてみます

ご指摘を受けて追記しました

お気づきだろうか。若い人口が、日本の平均よりもずっと多いのだ。もちろん、これは他の道府県から若い人口を吸い上げている結果に他ならないが、理由はさておき、東京に関しては高齢化による衰退の懸念はずっと少ない。

404 Blog Not Found:日本はヤバくても、東京はヤバくないかも

いろいろ書いておられるけど、ちょっと引っかかったのでメモ代わりにレスしますよ。

まず、Wikipediaからの孫引きになっちゃうのですが、社会の高齢化における年齢変動のポインタとしてはこの辺が参考になります。

「首都圏と比べると地方圏は若者が流出し、高齢者数が増加する」という認識は誤りであり、高齢者の増加は首都圏の方が深刻な問題となる。

認識を誤る要因は、「現在高齢者が多いところ」と、「将来高齢者になる人(団塊の世代)が多いところ」を混同してしまうこと、高齢化率の錯覚(若者がいくら流入してこようと高齢者の絶対数は増える)による[1]

2000年と2015年の予測値を都道府県別に比較すると、埼玉県は高齢者数が約2倍となり、千葉、神奈川、愛知、大阪がそれに続く。これは、単純に福祉にかかる費用が2000年の倍近くに膨らむことを意味する。

地方圏については、絶対的な高齢者数の増加は避けられないこと、また、若年層が首都圏に流出するために、働き手一人当たりの負担が問題になる。ただし、この問題は首都圏も例外ではない。若年層が流入する東京都でも、働き手と高齢者との比率は、2000年時点での秋田県と同水準となる[1]

高齢化社会 – Wikipedia(強調は私によるもの)

実際に国立社会保障・人口問題研究所は人口の将来推計を行っているんですが、去年の調査の結果では、首都圏(というより都市部)で高齢者が著しく増加するとの推計が出ています。

老年人口(65歳以上人口)は2020年まで全都道府県で増加する。しかし老年人口の増加率はおおむね縮小傾向にあり、2020年以降は老年人口の減少県が現れる。(略)2035年の段階で老年人口数が多いのは、東京都、神奈川県、大阪府、埼玉県、愛知県など大都市圏に属する都府県である。

都道府県別老年人口増加率

後期老年人口(75歳以上人口)は2030年まで全都道府県で増加する。しかし後期老年人口の増加率はおおむね縮小傾向にあり、2030年以降は後期老年人口の減少県が現れる。(略)2035年の段階で後期老年人口数が多いのは、東京都、神奈川県、大阪府、埼玉県、愛知県など大都市圏に属する都府県である。また増加率でみると、2005年から2035年にかけて後期老年人口が150%以上の増加になるのは埼玉県、千葉県、神奈川県であり、そのほか茨城県、東京都、愛知県、滋賀県、大阪府、沖縄県については100%以上の増加となる。

都道府県別後記高齢老年人口増加率

そしておそらく弾さんも認識してはいるのでしょうけど、理由に関する部分は「現在」に関することであって、「将来」に関することではないのが気になります。もし将来、日本はヤバいかもしれないのなら、東京もヤバくなるという可能性は十分あると思います。

ところで、上記推計では2035年時点でも生産年齢人口としては東京がトップです。しかしそれをもって「東京大丈夫」と言うのはちょっと弱いかもとも思います。読書家の弾さんが東京の将来を実感のみで言っているとは思えないので、どのように思っていらさるのか気になります。

そのほかの点は、当該エントリーのブックマークでzu2さんがつけている藻谷浩介さんの資料(PDF)を読んでみるといいかなと思います。

もし、間違っている点があればコメントいただければ幸いです。


id:PyTest氏にレスをいただいたので、もう一度考え直してみました。

まず、ご指摘のことはその通りだと思います。そして、そもそもなぜこういった結果になっているか、です。以下は推論であり、仮説です。

都市部では団塊世代の方達が高齢化するけれども、その子供達ががんばって家庭を築くので生産年齢人口の減少は少ない。また、地方部は既に老齢者の比率が高い地域が多く、これ以上の高齢化は難しいので高齢化は緩やかになっていく、ゆえに老齢者の増加率は低い。

よって、老齢人口の増加率が高い地域では生産年齢人口の減少率が低く(主に都市部)、その逆も成り立つ(主に地方部)のではないかと推論できます。

とすると、ここから「だから地方はヤバい」という状況も導出できます。まず、地方部は既に人口全体に占める老齢者人口率が多いという現状があって、それに合わせるように若者の現象が比較的高いレートで進んでいくわけです。とすると、ここでは数字上はid:PyTest氏が出したとおり大差はないにも関わらず、この結論からはどことなく地方の停滞したイメージが想像できるのですよね。

しかし、何をもって「ヤバい」とするかが各々によって異なってくるので、なにかこの話の落としどころは難しい気がしますね。つまり、藻谷氏が指摘するような東京都では、これからどんどん増える高齢者のために、老人福祉施設新設のための莫大なコストを今後社会全体で負担する必要が生じるといった社会資本整備費の負担増をもって「ヤバい」とするのか(この意味では都市がヤバい)、はたまた老人ばかりで若者が減り、経済も停滞した地方の未来をもって「ヤバい」とするのか(この意味では地方がヤバい)です。

うーん、しかし数字を扱うのって結構ムズいですね。きちんとなぜそうなっているのかを理解して扱うクセをつける必要がありますね。

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