Liner Note

情報(ユーザー中心デザイン・ユーザビリティ)と技術(ウェブプログラミング・ウェブサービス)についてのメモ書き

要約:ロングテールのテール部分のレコメンデーション問題をどう考えるかでソーシャルグラフの考え方がなにか活かせないかなと考えた

先日、某社(IT系コンサルタント)の説明会1 に行ってきた。で、その質疑応答の時に「ウェブサイトのユーザビリティを高めていく中で、ビジネス(≒広告)とユーザビリティとは相容れない関係にあると思うのですが、どう考えていますか」みたいな質問が出ていて、ユーザとWin-Winの関係になれるのが理想的な広告だよねと言うありがちなこと考えていたのだけど、じゃあその理想的な広告ってどんなものなんでしょう。

テスト期間中って事もあるので今は深く考えないでおこうと思うけど、その一つがAmazonにあるような協調フィルタリング技術を応用したレコメンデーション機能ではないかと思います。説明とかはWikipediaに譲るとして、つまり好きそうな・読みそうな本を引っ張ってきて紹介することで、広告(”広”告ではないのかもしれないけど)の固まりであるにもかかわらず、それと意識させることなく消費者の購買意欲を刺激させることができるというものですよね2

とはいえ、レコメンデーションも万能かというとそうではなくて、マイナーな分野については弱いという指摘もある。

Amazonのレコメンデーションの精度は、普通の商品に対して良いという意見が多数を占める。つまり、普通の商品については顧客が関心を持ちそうな商品を適切に推奨してくれると見る見方が多い。しかし、実際に試してみれば分かるように、学術書のように専門やニーズが細分化されている分野の場合、統計力学の専門書を買ったユーザーに統計学啓蒙書の宣伝を送る、さらにひどい例では研究計画に関する本を購入したユーザーに『ロボットアニメのプラモデルの作り方』についての本を推奨するなど、的はずれな部分もある。又、学術書には分野が同じでもレベルや性格(読み物的なものから辞書的なものまで)に大きな隔たりがあるが、それらは十把一絡げに扱われて推奨される。

Amazon.com – Wikipedia

マイナーな分野では購買数やカートイン数・クリック数などのデータが相対的に少ないので、それだけレコメンデーションの質が落ちてしまうことは仕方ないでしょう。

ですが、Amazonの売上がロングテール的と言われる以上、マイナー分野でのレコメンデーションエンジンの機能向上は欠かせません。

もちろんこれは別にAmazonだけの話ではなくて、同じ問題で最近私がウェブを歩いていて気にかかったのは、リクナビマイナビなどの就職活動情報サイトでした。

これらのサイトを歩いていると

  • この企業に興味がある人は、こんな企業にも興味を持っています
  • この企業をブックマークした人は、こんな企業も(略)
  • この企業にエントリーした人は、(略)

などと、いろんなところで勧誘を受けるんですが、結果がいつも決まって誰もが知っている大企業ばかりなんですね。つまり、大企業の方がさきほどの例のように、データの絶対数が多いので精度も高いと判断されて、そうした企業ばかり出てきているのでしょう。

ただ、私はベンチャー企業志向なところもありますので(全部が全部そうだというわけではないですが)そうした誰もが知っている大企業には、比較的あまり関心がないのです。

では、大企業志向な人がこのレコメンデーションでハッピーになっているかというとそうではなくて、どの企業のページを見ても、その業界の大企業(つまり、広告業であれば毎回電博ADKみたいな)ばかり出てきて広がりがないので、すぐに賞味期限切れになっちゃうんですね。

で、といったような「絶対数の少ないアイテム(へ・から)のレコメンデーションをどうするか問題」ですが、一般的なサイトでの答えはまだ出せてないんですが、mixiのような個人ネットワーク情報があるサイトでは何とかなるだろうと思ってます。

つまり、レコメンデーションはデータを解析して、集約されたデータを一律に解析して、類似しているアイテム情報を一律に提供していたわけですが、これに個人ネットワークという変数を加えればよいわけです。

具体的には、日記のクリック数・コメント数・共通するコミュニティの数などからユーザ間の「親密性」を定量化して、その高低が彼らの各サイトでの個人情報(Amazonでの購買履歴・リクナビでのエントリー企業)の参考度に換算されていくとするならば、どの分野においてもかなり精度の高いレコメンデーションが実現できるんじゃないでしょうか。

こういうのはソーシャルグラフ的な考えが広まって運用されていけば、できていくんでしょうか。mixiにとってもAmazonにとっても物が売れることはお互いに取ってメリットだからパートナーになる可能性はあると思うんですが、問題は個人情報の取り扱いですかね。

こうなってくると、ウェブは人によって見え方が違ってくるようになるでしょうし、そうなるとウェブデザインの考え方もまた変わってくるでしょう。

ちょっと話(妄想?)を膨らませすぎたかもしれませんが、レコメンデーションはウェブ広告を考える上で一つの課題となることは間違いないでしょう。

図書館でレコメンデーションをやると古書に強いエンジンになるんじゃないかなんて話もあったりして、その際、テール部分のレコメンデーションがどういった感じになるかは一度見てみたいですね。そうした点でProject Shizukuなんかには期待してたりします。

0596529325
△ Amazonのレコメンデーションがどういう風に動いているかを分かりやすく解説しているみたいです。まだ、邦訳は出ていませんが、意欲のある人はチャレンジしてみては。

  1. この会社のことについては後日またなんか書きます[戻る]
  2. もちろん、これが嫌いな人もたくさんいるでしょう。「美容用品を買ったら、鼻毛カッターを薦められた」とかで嫌いになった人もいます[戻る]

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