要約:OPAC(図書館蔵書検索)の検索語にパスファインダーに該当するトピックのキーワードがあるのならば、そのパスファインダーの文献を示してみてはどうかという提案
昨日は久々に大学図書館利用者(学生ですね)のコンテキスト調査のインタビュー音声を聞き返していました。今回はその時のちょっとした発見について書いておきましょうか。
テスト・レポート期間中は大学図書館がよく使われる期間なので、そのことをよく伺うのです。レポートが出て図書館に行くにあたって、OPACで所在や棚の位置を調べるのですが、例えばこの時にOPACにどういう検索語を打ち込むのか。
課題書が決まっている場合はもちろんその書籍名を入れるのですが、「~について論ぜよ」という場合はその論題中に表れるキーワードや授業中にもらったプリントにあるキーワードを組み合わせて検索語を組み立てるようです。まぁここまでは皆さんもやっていることだと思います。
それで、たまにキーワードを1語だけ打ち込んで検索する場合もあるようです。例えば、キリスト教関係の授業なら「キリスト教」、国際政治関係の授業なら「国際政治」といった具合です。理由を聞いてみると、テーマが曖昧な場合や執筆者の自由になっている場合、その分野の概論書を読んで、書くテーマを絞り込んだりしているようです。その分野についてもう一度復習する意味もあるのかもしれません(これは推測)。
当然、こうした検索語に対する検索結果は(特に~学と付くような語であるほど)4,5桁程度の膨大なものになり、人によっては選択肢が多すぎて戸惑ってしまうこともあって(OPACによっては検索件数が多すぎる場合検索を中止し、絞り込みを促すものもあります)、いったん検索をやめて、その分野の棚に足を運んだり、プリントを見た上でキーワードを追加して絞り込んだりしているということです。
で、ここでなのですが、利用者が概論書、入門書を求めているのだとしたら、そういった書籍を薦めてみるといいのではないでしょうか。
図書館情報学では特定のトピックや主題に関する資料・情報を収集する際に、図書館の提供できる関連資料のリスト
をパスファインダー(Path Finder)といいます。有名なものでは国立国会図書をはじめ、公共図書館や大学図書館でもウェブ上にページが用意されています。つまるところ、各図書館が作ったテーマ別お勧め文献リストあるいはテーマ別の調べ方といっていいでしょう。
これらのページはほとんどの場合、独立したページとして作成されているのですが、情報は必要なときに密接にリンクされているほうがアクセスしやすくなるわけで、OPACの検索結果のページにそのようなリストを表示するように設計するとよいでしょう。
ちなみに、国立情報学研究所は新書マップという新書パスファインダー的なサイトがあって、テーマ別にお薦めの新書がまとめられています。想-IMAGINE Book Searchというサイトでは連想検索エンジンを活用した上で、この新書マップの検索結果を他の検索結果と合わせて表示していますが、このような解決方法も結構良いですね。
試しにこちらでも西南学院大学図書館のOPACで「キリスト教」を検索した場合を少し手を加えたモックアップを挙げてみました。同図書館のパスファインダーと新書マップのキリスト教入門の項の一部を単純に組み合わせたもので、構成の仕方にはまだまだ工夫の余地がありますが「どう調べたらよいか」「そもそも○○って何?」と困っている方には役立ちそうです。
ちなみに、多くのパスファインダーにはインターネット上の情報源もまとめられています。OPACで見つからない場合、ネットに頼る学生もいるのですが、そうした時のナビゲータになるかもしれませんね。
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この記事はシリーズものの一篇です。Making OPAC 2.0シリーズのそのほかの記事もよろしければご覧ください
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