要約:自分達だけではお客さんの問題を解決できないなら、積極的に他の人に解決してもらうことも考えるべきじゃないかなという話
まず、ユーザは日々なんらかの問題を抱えていて、それをある時はウェブ上で解決しようとしています。それは例えば、
- 辞書サービスで知らない単語を調べる(問題:単語の意味が不明)
- オンライン書店で気になっている本を買う(問題:本を読むために手に入れたい)
- 鉄道会社のサイトで目的地まで鉄道やバスが通っているか路線図を見て調べる(問題:目的地まで電車・バスを使って移動したい)
などといったことだったりするでしょう。そして、サービス提供する者(ここではサイト運営者)としてここで一番大切なことは、そうしたユーザの要求に簡単にお手上げしてはいけないということです。なぜなら、それがユーザにとって自分のサイトが役立たずだったと宣言するようなことだからです。
ですから、ユーザ要求を自分達の持つリソースで解決できないのであれば、同業者へ橋渡ししてあげることも積極的に考慮すべきでしょう。先の例で言えば、
- 「該当の単語は見つかりませんでした、キーワードを変えてください」と表示するかわりに、他の辞書サービスにディープリンクする
- 「該当の本は現在品切れ中です、しばらくお待ちください」と表示するかわりに、他のオンライン書店や図書館蔵書検索ページへディープリンクする
- 自分の鉄道だけでなく、他者の鉄道路線も併せて表示する
という配慮が必要だと思います。
利用者は何も、その辞書サービスを使いに来たわけでも、そのオンライン書店を使いに来たわけでも、○○バスに乗りたいわけでもなく、単にその問題を解決したかっただけです。あくまで「誰が」解決するべきではなく、「何を」解決するべきなのかを意識しないといけないのではないかなと。ですから、ただ第三者の便利なサービスを待つのではなく、まず自分たちがその要求、その期待に応えようとすることが大事だと思います。

もちろん、他者に橋渡しする以前として自分たちのリソースをフルに活用する、活用できるようなサービスを展開するということは前提です。例えばAmazonは、新品だけでなく中古商品(マーケットプレイス)も併記することで、万一の在庫切れの際もできるだけユーザの期待を裏切らないようなサービス展開をしています。で、それでも解決できないようであればということを言っているわけです。
さてさて、などと言うと「行為それ自体としての正しさとビジネス上の正しさは違う」、つまり他社へ水を送るような事をやっていては市場経済で生き残れないよと批判されるかもしれませんが、まず誰に利益が行くかということよりもユーザの期待に応えて満足度を高めることを考えるべきだと思います。
サービス運営者が持つ資源が有限である以上、それで解決できる要求が限られてしまうのは致し方ないことですから(繰り返して言いますが)その資源でできるだけ多くの要求に応えられるようにデザインした上で、それでも無理だった場合に他者に解決してもらうことも一緒に考えないといけないでしょう。つまり、誰に利益が行くかではなく、お客さんの問題解決という期待に応えられるかどうかの方が重要なわけです。
市場競争ではどうしても縄張り主義的に自分が出来ないことは知りませんよと言ってしまいがちですが、そこでお互いの渡り口を用意しておくことが各サービスの満足度、ひいてはその業界の満足度の向上につながるのではと思っています。
とはいえ、業界内で圧倒的なスケールメリットを持つ先行者がいて、かつ自分たちが何かに特化しているわけでもなく、その先行者と違っている特長があるわけでもない場合1 は、最終的にそちらに依存している状況でしかないわけですから、そもそもそのままではサービスが長続きしないんじゃないかという意味から、この戦略を執るのは難しいと思います。その時はどうスケールを拡大すべきかとか、どう差別化すべきかとかをまず考えた方が良いでしょう。
さて、長い前振りみたいですが、これをふまえて試しにこのサイト内検索に結果が得られない場合に、同検索語でGoogle検索した結果を併記してみることにしました。これで解決できないこともあるでしょうけど、やらないよりかはだいぶマシかなと。もちろん、サイト内検索自体の精度も何とかしないといけませんけどね。
ところで前に提案した図書館と他書店・図書館・ウェブサービスとの連携案なんかもこの文脈で言っていたことですね。ちなみにこちらのプロジェクトは今も継続中です。
- 例えばビッダーズが検索結果にマッチする出品がない時にヤフーオークションの検索結果を表示したらそう思ってしまいます[戻る]
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