要約:IPAの2008年度下半期未踏ユースに応募してみました、理由と企画の簡単な説明。
前々から水面下で進めていた次世代OPAC、改め「本の検索システム」ですが、IPAの未踏ユースという公募企画に応募してみることにしました。おもしろ半分ではなく、一応ちゃんと理由がありまして‥
- 卒論でいいところまで行けた気がする一方で、まだやりたいないところがあって開発に没頭したいのだけど、しょうもないバイト*1 とかで時間をつぶしたくない
- 他の人と交流することでもっと論を進めたい
- 自己満足じゃなくて実際に大学図書館の情報検索環境をなんとかしたい‥IPAによる広報効果に期待
このあたりがどうもこの企画の趣旨ともずれてないというか、お互い幸せになれそうだったんで応募してみたというところです。それなりに書類作成にも時間かけましたよ。
で、企画なんですが、えーと、実際のテーマ詳細説明書はパブリックに出来ないところもあるんですが、だいたいどんなものを作るのかビジュアルでわかりやすく示したシートを作ったので、替わりにこちらをご覧ください。
ページ一覧
P1. 表紙
P2. 大学生の右腕になります
「大学図書館って確かにいい本はあるんだけど探すのが面倒で‥」
そんなあなたのためにより使いやすい蔵書検索システムを考えました。本を探すときにあなたが考えていることをシステムに反映しました。例えば‥
- 多くの利用者が選書の祭に出版年を判断基準の一つとしているので、出版年をベースに並び替え、わかりやすく表示しました
- 大きさや厚みって本を選ぶ上で意外と重要ですよね、なぜ今までウェブ上でわからなかったのでしょう?
- 検索キーワードだけだと検索結果もそれにあわせて平面的になりがち。検索語の連想検索結果も併せて表示しています
- 引用表記の仕方がわからない?大丈夫、システムが面倒を見ます
P3. あなたが見ているものはウェブにありますか?
情報技術は、ぼくらが持てる情報を量的限界を飛躍的に伸ばしてくれました。しかし、ウェブであなたが必要としていた情報は本当に見つかったでしょうか?
例えば、図書館や書店に行った時に目的の本だけでなく、いろんな棚の本を読んでみて、違った切り口・着想から考えを捉え直してみる‥そんな発見を図書館の蔵書検索システムを使ったときに得られたでしょうか?
このシステムでは、そんなウェブが見失ったものを取り込んでみたいと思っています
P4. 蔵書検索システムではありません。問題解決サポートシステムです
あなたが本を探すのは、何らかの問題ー疑問、レポート..ーを解決したいからですよね。このシステムは単に図書館の本をご案内するのが目的ではありません。あなたの抱えている問題を解決するのが目的です。
ですから、まずテーマについて知らないという人のためには新書マップやWikipedia等の検索結果を見せますからそれを一通り読んでみてください。
もし、目的の本が見つかっても図書館に所蔵がないのであれば、
確実に手に入れられるように近くの図書館や書店の所蔵をお調べしましょう。
P5. ひらめきは場所を選ばない。システムも場所を選ばない
疑問やひらめきっていつも大学の中で出てくるわけではないですよね。たとえば駅のターミナルに降りたとき、友達の家で一緒に勉強しているときにふとあのテーマに関する本がないかな調べたくなったらどうしますか?
システムではGPSや地図情報などを活用しながら、いつでもどこでもひらめきを形に変えるお手伝いをしたいと考えています
申請概要
テーマのタイトル
「大学での学習・研究活動を加速させる本の検索システム」
テーマの説明
大学図書館を対象にしたこの蔵書検索システムには、従来のそれにはない2点の特長があります。
まず1点目が高いユーザビリティです。大学図書館利用者(大学生など)が蔵書検索システムを使って本を探す際には、ある一定の行動パターンというものが観察できます。例えばそれは、ここ10年くらいに発行された本を探すとか、利用状況に応じて図書の形態(新書・ハードカバーなど)から図書を探したりであるというものです。
このシステムでは、そうした検索時の行動心理を把握し、分析後ニーズとして捉えた後に、設計とユーザテストによってその問題を解決するという人間中心設計の手法を用いて、システム全体のユーザビリティを向上していきたいと考えていきます。それにより、大学生が学術研究を進めていく上での「ひっかかり」を取り除き、積極的に学術研究を行っていくための環境を整備していくことを目的にしています。
2点目は、例えばあらかじめ借りる本の目星をつけていたけど、実際に本棚に行って様々な本を見るうちに目的の本以外から参考になる情報を得るように、アナログならではの発想性や一覧性をデジタルのウェブでも実現したいと考えています。それにより、一面的になりがちなキーワード検索の問題点を乗り越えることが目標です。
また、本プロジェクトでは蔵書検索システムそのものではなく、そのユーザインタフェイスを開発することになりますが、それにより大学図書館の導入上のリスク・コストを下げることで、現状の大学図書館の情報検索環境を実際に変革していくことを考えています。
Project Shizukuとの違い
あなたが関係者の方(図書館情報学的な意味で)であれば、昨年I期の未踏ユースで採択された通称Project Shizukuと違いを気にかけておられるのではないかと思います。これについて、僕がテーマ提案書内で書いた説明ですがこんな感じです。
このプロジェクトとShizukuとの違いは以下のような点です。
- ターゲットの違い。Shizukuが学校図書館およびその生徒を対象にしているのに対して、当プロジェクトが大学図書館およびそれを利用する大学(院)生を対象にしている点
- 目的の違い。Shizukuは『利用者に「他の利用者とのつながりを創る」機能を提供することでコミュニティを活性化する』ことを目的にしているのに対して、当プロジェクトは「大学(院)生の学術研究の環境を整備することで、彼ら自身に良書をたくさん読んで、社会への意見を養ってもらう」ことを目的にしている点
- 開発物の違い。Shizukuは次世代図書館システムを制作しようとしたが、当プロジェクトは次世代図書館システムにおけるユーザインターフェイスを制作しようとしている点
一方で共通点もあります。
- アナログの感覚をデジタルに復活させようとしている点。既に述べましたが、例えば大きさ・厚みなどの本の物理的状態を示すことで、より直感的な選書が可能になります。仮想本棚の表示などアナログデータの視覚化という点ではShizukuと重なる点があり、日本十進分類法から隣にある本を表示する「おとなり本機能」など、利用者ニーズに合致する限りにおいて積極的に実現していきたいです。
応募する以上は採択されたいですが、採択されなくてもコメントをいただけるそうなので、まぁこれに関して少なくとも失敗はありません。自分がどれくらいの蛙なんかを知るのにもいい機会ですし。
えーと、いつものように何か思うところがあったら、気軽にコメントいただけると幸いです。
1次選考通過者への通知期限が過ぎました‥どうやらPMのお眼鏡に適わなかった模様。
そうか、1次選考ではコメントがいただけないのですね‥残念。就職活動もそうですが、落選原因がわからないのは結構モチベーションが下がりますね(いちいちコメントしてると大変だし、一次落ちってのはその程度のものなんだけどね)。
まぁ、どこが注目されてるか反応を見れたのでそれだけでも少しは収穫かな。プロジェクトはバイトと二足のわらじで頑張りますか。
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この記事はシリーズものの一篇です。Making OPAC 2.0シリーズのそのほかの記事もよろしければご覧ください
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