要約:音楽機能や写真撮影機能がついた携帯電話が爆発的に売れることもなく、相も変わらずiPodやデジカメが売れ続けていく理由を考えてみる
デバイス統合(Device Convergence)論(あるいはデバイス統合神話)というのは「あらゆる機能を統合した(例えば今の携帯電話が限りなく多機能になっていった感じの)機器ができていって、デジカメとかiPodとかそういう単一機能にフォーカスした機器は淘汰されていくんじゃないか」という話です。最近は、Life is beautifulの中島さんも取り上げてましたね。
もうちょっと詳しく書いておくと、例えばCNETのWill iPhone break the convergence rule?という記事では次のように言っています。
何度も証明されてきたそのルールはつまり、消費者は(ビジネスだけというわけではなく)様々な機能が同じくらいのバランスである製品よりも、一つのメイン機能がある製品の方を好むという物です。
例えば携帯電話に安いカメラをつけるように、(メインの機能を)邪魔をしないような二次的な機能を加えるのはOKです。しかし、2台の異なったデバイスを統合しようとするなら、消費者に無視されるのがよいところでしょう。
Will iPhone break the convergence rule? | Tech news blog – CNET News.com
最近では、いろいろできるPS3なんかより安いWiiが売れたよねーとか書いてあるんですが、ウェブ業界の方にとっては、Mozilla Suite/Netscapeがメールやらウェブページ作成ソフトやらをてんこ盛りにしたことがブラウザ競争で敗れた一因になった、といえばわかりやすいかな。
ちなみに、先の記事ではなぜデバイス統合が市場で受け入れられなかったかも考察していて、この記事によるとこういう理由があるようです。
- 単機能のデバイスは使うのがより簡単である
- 例えば、iPhoneのソフトウェアキーボードはPCのキーボードに比べて使いづらいものになっている
- 壊れたときのリスクが少ない
- 機器が壊れたとしても、その機器だけを修理すればよい。
- 統合することによるメリットが明確でない=単機能のデバイスを使った方がメリットが大きい
- 例えば音楽を聴きたいのなら、8GB iPhoneの半額の値段で10倍の容量を持つiPod Classicを買うことができる*1
で、この方のまとめをふまえて、私の意見も付け加えながら理由をまとめてみますと、こんな感じになりました。
(複合デバイスよりも単機能デバイスの方が)
- ユーザビリティに優れている
- ある機能に絞ったデバイスを開発する場合、複合デバイスに比べて事前のマーケティングや開発チームがしっかりしていて、またそのデバイスが使用される状況を意識して工夫をしていることが多いのではないかな。例えば、デジカメでは機能の切り替えに専用ボタンを用意していることが多いですが、携帯電話のカメラはそれをテンキーなどで代用していることが多くて、ちょっとわかりづらいです。
- リスクの分散につながる
- 上記の修理の話と同じ類の話ですが、バッテリの駆動時間なんかもそうですよね。例えば、iPodとデジカメと携帯電話を持っておけば、携帯電話の電池が切れても音楽を聴いたり、写真を撮ることができます。
- 値段が安い
- 上記のiPhoneとiPodの話と同じ。ただ、PCは「大きな例外」とも書いてます。
- 高性能である
- ユーザビリティの話とも通じますが、それ専用の機器なのでその機能にフォーカスしており、機能や性能が高い場合が多いです。
そして、かくいう私もアンチ・コンバージェンス派です。
ただ、Eee PCはちょっと面白くて、もしあのPCが昨今のモバイルPCに搭載されているようなインスタントAV機能*2 を搭載してきたら、そこいらのCDプレーヤーやDVDプレーヤーくらいは軽く淘汰しちゃんじゃないかなと思いますね。もっとも、日本市場ではアメリカのそれに比べてちょっと高い値段がついているようですが。
関連リンク
- キーワード:




読者のコメント
0件