Liner Note

情報(ユーザー中心デザイン・ユーザビリティ)と技術(ウェブプログラミング・ウェブサービス)についてのメモ書き

Rimo

という話。テレビ的なサービス Rimo の登場で「テレビやばいよ」的な話をよく聞くんですけども、個人的には「便利なんだけどたぶん使わないだろう」という印象が強くて、どうにも「やばいよ」とは思えないので(別にdisりたいワケじゃなくて)その理由について少し考えたことをいつも通りダラダラと書きます。あと、これは一種のブレストなので著作権云々の法的・倫理的なネタは抜きで書いてます。

ITmedia News:YouTubeをテレビで“ダラ見” はてな、Wii対応の動画サービス

まず、上記の記事にあるようという記事で書かれているように、ネットを「ゆるく」して、テレビに近づける=マスの媒体に似せるためには、YouTubeで興味のある動画を検索したり、けんたろさんのWiiPoPとかで逐一コンテンツをプルしていくよりは、Rimoのようにプッシュしていく方が確かにいいアプローチだと思います。

それにテレビのように飽きたら電源を切れるし、チャンネルも変えられる。

じゃあ、何が不足(あるいは余計)なのか?少しブレスト。

  1. スイッチ一つで、つけられる気軽な感じ
  2. 画質が汚い
  3. 長く見られるコンテンツがない

で、検討してみる。

スイッチ一つで、つけられる気軽な感じ?

スイッチ1つでつけられないからテレビ的ではないのか?じゃあ、WiiとかにRimoボタンとかが付いて、それを押したら(テレビと連動して)自動的にRimoに接続できたらそっちを見るか?と言われれば多分見ないと思う。気軽に見られることはテレビの特性の一つだろうけど「とりあえず」というスイッチを押す動機にはなりえない。視聴者はテレビの画面に何かがあるから「とりあえず」スイッチを入れるのだと思う。

画質が汚い?

じゃあ、画質がネックになっているのか?解像度や画質自体はワンセグとそれほど変わらないわけで、じゃあ通信料とか抜きにしてEZチャンネルプラスみたいにケータイでRimoが「受信」できるようになったら使うか?と言われるとこれも使わないと思う、理由はさっきと同じ。

長く見られるコンテンツがない?

それじゃ、コンテンツの時間量の問題か?もし、日曜洋画劇場みたい2-3時間枠のチャネルが追加されれば見るのか?…これは条件による。今の状況では長時間コンテンツができてもゴミチャンネルにしかならない。これについては後に述べる。

するってと、何が不足なんだよヽ(`Д´)ノってことでもう少しブレスト。

  1. 拘束時間がわからない
  2. ザッピングができない

  3. 共有性がない
  4. コンテンツがエンターテイメント系に偏っている

拘束時間がわからない

よく「テレビは一定の時間と場所を拘束されるので不便だ」とか言われる。場所の拘束性はワンセグやHDDレコーダーの普及で少しマシになったかもしれない。でも、一定時間の拘束性は変わらない。これはRimoも同じで、むしろ「あと○○分だけ見よう」という状況で番組表を見てそれより長ければ録画へ、短かければライブ試聴するといったように判断できるテレビの方が便利である。

だから、あと20分だけ見たいというインテリジェントなオフタイマーみたいなのがあれば便利かなとは思う。

ザッピングができない

ザッピング、つまり「いろんなチャンネルを次々に回していって、最終的に面白そうなチャンネルに落ち着いて見る」といったことが今のRimoではできない。チャンネルを変えてからまた戻ってくると、他のコンテンツに変わってしまうんですね。

だから、セッションをきちんと設定して、ザッピングできると共に、ビデオ視聴中で他のチャンネルに移ったとしても、戻って来たときに続きから見られるようなレジューム機能をつけることが必要でしょう。

先の「長く見られるコンテンツがない」の話にしても、このリジューム機能を実装して「テレビ品質」レベルの画質さえ満たせば、かなりのキラーチャンネルになるのではと思います。

共有性がない

Rimoがテレビと違うのは、単に番組を時間枠に沿ってダダ流しにするわけではなく、視聴者側が早送りや次の番組に移れるようになっていることです。

だから結局は見せ方の違いであって、RimoはYouTubeでネタを探すのに近いわけで、共有するという性質は薄い。社会学者の辻 大介さんはテレビとネットの関係についてこう述べてます。

NHK放送文化研究所 – 辻大介インタビュー:ケータイと若者のコミュニケーションより引用

かつてのように, テレビは国民的あるいは大衆的一体性を持った「想像の共同体」を作り出すマスメディアというよりは,個人の中で押さえておく基本情報のメディア,いわば「ベースメディア」になりつつあるのではないでしょうか。ネットの中でも, テレビの番組やニュースは共有性の高い話題・ネタとして, 非常に大きな位置を占め, 消費されています。

ケータイなりネットなり, 電子ネットワークメディアが今後どう普及しようとも, 100 年後はともかく, 10 年, 20 年でこの状況がドラスティックに変わるとは思えません。

ネットに関しては, かつて個人による情報発信への期待が盛んに語られたこともありましたが, 例えばホームページを積極的に更新して情報発信しているというのは5%弱にすぎませんし, 掲示板に積極的に書き込むのもネットユーザーの1~2割程度です。これまでマスメディアの「受け手」であった人々が, ネットが普及したからといって, そう簡単に「送り手」に変わりうるわけはない。

こうしたベースメディアとして、マスにネタを提供できる性質が得られない限り、Rimoはテレビをリプレース出来ないと思う。

コンテンツがエンターテイメント系に偏っている

で、すぐ上と似たような話。今のところ、RimoにはYouTubeに則って 4チャンネル1 が用意されているが、いずれもエンターテイメント系。

現状、テレビには情報伝達機能と娯楽提供機能があるけども、報道系などが無いRimoは後者しかサポートできていないといえます。前述の辻さんはマスメディアというのは押さえの情報あるいはネタを提供するのであって, そのネタをどう処理するかは今後ネットのほうに主導権が移っていくのではないでしょうかと言っていますが、公共的なニュースやスポーツ報道なんかはそうした押さえの情報になりやすいわけで、そうしたネタを提供できるどうかはマスになれるかどうかの1つのポイントだと思います。

ryuzi_kambeさんが言うように、日本にCNNはないわけですから、そこはやっていった方がイイと思います。

それに、朝起きて「コメディー」とか「アニメ」とか見たいわけではないですしね。朝はニュースと天気で十分。そういう意味では、テレビのように気軽にスイッチを入れてもらおうとWiiチャンネルを用意した任天堂は偉いですね。

で、以上をまとめると、Rimoが引き続きマスを志向するならば、以下のようにしたら面白いと思います。

  • タイマー機能の実装
  • レジューム機能の実装
  • 多チャンネル化、特に公共的ニュースやスポーツニュース・お天気情報を配信する

Popularity: 2% [?]

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